不仲

日本ではあまり報道されていないと思うのですが、実は今、タイとカンボジアの仲がとても悪くなってしまいました。

これもやはりタクシン元首相（以下タクシン氏）がらみ。現在のカンボジアの首相、フンセン首相とタクシン氏はとても仲が良くてゴルフ仲間でもあることで有名。タクシン氏がクーデターで国を追われ、次に発足したタクシン派の政権で承認した国境沿いにある遺跡をカンボジアの領土としてしまい、大反発を食らっただけでなく、容認の方法が憲法違反とされた件で両国の間が急速に悪化。にらみ合いを続けていた両軍で銃撃戦も交わされ双方に死傷兵をだしました。

現政権になり、尚一層の反タクシン色の強い政権にフンセン首相が強く反発。とうとうタクシン氏をカンボジアの経済顧問に任命、先日タクシン氏は同国に入国し講演など行いました。

それに伴い両国の大使館職員が両国共に国外退去命令が下されてしまう事態にまで発展しました。

タイ側からすれば汚職事件の実刑判決を受けた身柄を引き渡す事を拒否するカンボジア政府の姿勢に理解できない立場。日本政府もカンボジア政府に対し身柄引き渡しに応じるよう文書で送っているが無視です。

タイは歴史上、多くのものをカンボジアから仕入れました。クメール王朝が及ぼしたタイへの影響も多く、現在のタイ文化をたどっていくとカンボジアに行きつくのも多いです。しかし度重なる戦争、植民地化、そして内戦。経済的にもとても出遅れているカンボジアを見下す傾向の多いタイを同国の国民はとても嫌います。（そりゃそうだ）そんな流れの中での現在の問題。そう簡単には解決しません。

ちなみに国境はまだ行き来できるはずです。国境沿いの地元住人に配慮しているそうです。陸路でカンボジアへ行く方は最新のニュースをゲットしてください。願わくは平和的に解決です。